後味わるい
みんな都知事選のことにはもう触れたくないというか、なかったことにしたいというか、そんな気配があります。もちろん選挙は東京だけじゃなくて日本各地であったわけで、総論としてはいろんな議論や評価があるんだろうけど、東京都知事選に関してはなんか嫌な気分というか、ようするに後味のわるい選挙だった。
石原以外の候補に投票したひとだって「ぜひこの人に都知事をやってほしい」なんて思いで投票したなんてことはなくて「ほんとうはこんなゴミみたいなやつに投票したくないし、入れてもどうせ当選するはずないってことは分かってるんだけど、石原だけはぜったいに嫌だし、棄権もなんなので、こんなゴミみたいな対立候補の名前を書いちゃうぜ」というのがほとんどだったと思う。そりゃあ嫌な気分だ。
で、石原に入れたひとの多くは石原の醜さ、傲慢さ、いかがわしさに、自分自身の醜さ、傲慢さが投影されていることを無意識のうちに感じて嫌な気分なんだと思う。自分の権力保持と金儲けしか考えず、外国人とくにアジア人を差別し、年寄りや貧乏人を切り捨てる、そういう典型的な日本の政治家の姿というのは典型的な日本人の姿であって、けっきょくそんな石原のことを日本人(東京都民っていうのは日本各地出身者の寄せ集めだからね)は好きだったんだと思う。
弱者がどうしたとか言ったってみんな自分のことは弱者じゃないと思っているし、自分が石原と同じ強者の側にいると勘違いしてる連中が280万人いて、「都民の知的なレベルの高さが(私を)理解して、良識を示してくれた」とか言われて喜んでいるんだろうな。
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