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2010年8月18日 (水)

渡仏巴里譚 ④ Misyへ<中編>

みゅう弟です。


車窓からの景色はだんだんと建物が見えなくなってき、見晴らしが良くなってくる。山並みは全く見えず見渡す限りの広大な平地が続いている。フランスの田舎の風景とはこんな感じなのかと妙に感心。

高速を降り、ひまわりや小麦の大きな畑の間をいく細い道を走る。しばらくすると小さな町に入る。古い教会や住居はパリで見たそれとは、また違う趣がありタイムスリップしてしまったかのよう。

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Iさんのお宅に到着。ヨンヌ川沿いの小道に隣接する小奇麗な素敵なお宅。緑に囲まれた静かな静かな庭。ここには違う時間が流れている。

Iさんとご挨拶。僕としては、はじめましてと思っていたけれど、実はIさんは兄貴の通夜にご出席いただいて僕にも会っているとの事。

「葬儀の時は忙しそうだったし、いろんな人にあってるから覚えてないよね。」とIさん。

あの日のことを必死に思い出してみた。あっ!通夜ぶるまいの時Nadjaのテーブルにいた方だ!あの時「お兄様を愛していらしたんですね。」と話しかけていただいたのを思い出した。その話をしたら笑いながら少し照れて、家の中に案内をしてくれた。

Iさん、普段は日本で生活をされていて夏の期間だけこの別荘に滞在されているとの事。兄貴はIさん滞在中に良く遊びに来たり、不在時の管理人ではないけれど、夏以外の期間、一人でここに住んでいたことがあるそうだ。


「真司さんがここに遊びに来てくれて、一緒に過ごした時間が一番楽しかったんですよ!ほんとに楽しかった。この川で釣りをしたり、仕掛けを作ってうなぎを取ったり、泳いだりしたんですよ!」


満面の笑みで僕らに語りかけてくれました。Iさんは僕らの来訪を歓迎してくれました。




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KさんもIさんとは初対面。それでもそんなことは微塵も感じさせず、皆でいろいろとお話をさせていただきました。穏やかに、和やかに、心地よい時間を僕ら家族を含め全員で共有させていただきました。


兄貴のMisyでのいろんな話。車が無い時、20kmも離れた村に自転車で買い物に行った話、皆でバーベキューをした話、隣のおばちゃんに気に入られていた話、アンドゥイエット(豚内臓のソーセージ)が好きで良く食べていた話、よく酒を飲んでいた話、楽しい話ばかりでした。

いろいろと楽しい話が進む中、Iさんは僕らが持っていった兄貴の写真を見ながらこうおっしゃいました。

「お兄さんを愛していたんですね。」

つづく

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