散骨
みゅう弟です。
今、石垣島に来ています。
昨年兄貴が約2ヶ月の間長期滞在したウィークリーマンションに泊まっています。写真は部屋からの眺めです。
この写真は2007年12月1日、兄貴と始めて石垣島を訪れたときのもの。今日、この写真と同じ場所に兄貴の骨を撒いて来ました。
昨年の10月26日、最後に入院をする3日前のこと。夕方、車に乗って荒川の河川敷まで行って車椅子で散歩をしました。出るのが遅くなり着いた時には日が沈みかけていました。それでも夕暮れの河川敷を車椅子で歩くのは気晴らしになったようでした。帰りの車の中で突然言い出しました。
「俺が死んだら石垣にでも骨を撒いてもらおうかな。フランスだと大変だろうから石垣ぐらいならちょうどいいかな。」
「おお、良いよ。どこでも好きな所に持ってくよ。」と僕は答え、二人でしばし笑っていました。
「そろそろ、そういうこと考えなくちゃいけねーなぁ。」兄貴はこう言った後、黙って何か考えていたようです。
僕はこの日の兄貴の言葉をまもって、今日兄貴の骨を撒いたのです。
いろいろと思い出すことは沢山あるけれども、決して「悲しい」旅ではありません。兄貴はもう痛みや苦しみやしがらみや様々な不快なことから完全に解き放たれているのです。穏やかに過ごしていることは間違いありません。
今回の旅は僕の家族と兄貴で楽しく「4人旅」をしているようです。
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コメント
みゅうさんらしく、かっこよく潔いclosureですね。白い砂、透明な海、すべてを白くしてしまうような強烈な光。そんな環境の一エレメントになれて、みゅうさん幸せなことでしょう。みゅう弟さんにとっても一つの浄化、荷下ろしになったことと思います。みゅうさんのご冥福を改めて祈ります。そしてみゅう弟さんご家族のご幸せも。
投稿: kuwachann | 2009年8月 8日 (土) 21時40分
>kuwachannさま
コメントありがとうございます。撒いた骨は決して海の中の「異物」ではありませんでした。骨はあっという間に浜辺の一部へと、海の一部へと、すーっと融けていった感じでした。でも魂の帰る場所は海ではなく、僕の家族だったようです。
kuwachannさんの術後の回復状況は本当に凄いですね、大変感心しておりました。多くの患者さんの希望の光だと思います。たとえ時間が掛かったとしてもこんな風になれるのかと。今後もご無理をなさらずご自愛ください。
投稿: みゅう弟 | 2009年8月10日 (月) 18時39分