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2008年4月

2008年4月21日 (月)

ジェフ・ベックな夜(1)

きのうは後楽園JCBホールでスモーキー・メディスン鑑賞(介助つき)。

みんないろんな期待と不安をもって行ったと思うんだけど、いちばんの興味はやはりどんな曲をやるんだろうかということだったんじゃないだろうか。ナルチョも言っていたけど結成いらい35年目ではじめてのワンマン・ライブなわけで、彼らが活動していたわずかな期間だってフェスとかに出てただけなわけで、ライブ音源もセットリストの記録なんかもほとんど残ってないわけで、事前のインタビューでもチャーは「何をやろうかっていうのがいちばんの問題なんだよね」なんてことも言っていた。

当時としてはまだめずらしかった16なロックをやるバンドだったとか第2期ジェフ・ベック・グループをモデルにしていたみたいな話はあったからそっち系のことをやるんじゃないかぐらいの予想はしていたんだけど、2時間ぐらいのライブのうち三分の一ぐらい第2期ジェフ・ベック・グループの曲をやったのですげえうれしかった。

マリちゃんのソロアルバムの曲を何曲かやったあと、『シチュエイション』のあのイントロから始まって5曲(だったかな?)最後に『ゴーイング・ダウン』そして「ジェフ・ベック・グループでした」というチャーのMCまでいっきにやって、もうこれで終わってもOKよ、みたいな世界でした。『今宵はきみと』ではマリちゃんの声のかすれ具合がすげえかっこくて、ちょっとロッド・スチュワートみたいで、あれっ?これって1期の曲だったっけ?と勘ちがいしちゃうぐらいでした。そのあとはやっぱマリちゃんやジョニーのソロの曲やピンク・クラウドの曲やよく知らない曲をやりました。

もうひとつうれしかったのがチャーがSGを使ったこと。チャーがソロデビューしてムスタングなひとになる前はギブソンのぱちもんのギャバンというメーカーのSGを愛用していたことはよく知られていた話でその写真だけは残っている。この日ももしかしたらというわずかな予感はあったんだけどやっぱりだった。

席の位置の角度の関係でよく見えなくてSGだということしか分かんなかったんだけど、音の感じではシングルコイルみたいでP-90一発なんじゃないかという気がした。早くどこかで誰か正確なインプレをアップしてくんないかな。

スモーキー・メディスンはこれまでにも何回か再結成まがいのこと(なんかのイベントで1曲だけとかそんなのをふくめてだけど)をしたことはあってそのうち何回かは行ったことがあってそのなかでいちどSGを使ったことがあったような記憶があったんだけどあとで資料を確認したらそのときはP-90一発のレスポール・ジュニアだったらしいので実際にチャーがSGをひくのを見るのはこれがはじめてになるのかもしれない。

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2008年4月14日 (月)

天気と体調

天気を気にすることが多い。

天気によって体調が大きく違うからで、誰だってそういうところはあるんだろうけど、おととし3月にがんの治療を始めてから、きょねん6月に食道の手術をしてから、きょねん10月にハードな抗がん剤治療を始めてから、大みそかに腸閉塞をやってからと段階を追って天気によって左右される幅がどんどんひろがっている。

気温が低くて雨がたくさん降ってなんていう日には、もうトイレまで歩くのもしんどくてなんにも食べられなくて、もう救急車呼んじゃおうかなとか思ったりするぐらいの状態だったのに翌日からっと晴れて暖かくなると「あれっ?きのうのはなんかの間違いだったんじゃないか?」ぐらいにすっかり元気になってしまうこともあったりしてなんだかよく分からない。

天気予報はネットでチェックすることが多いんだけど、見ることが少ないテレビでも天気予報だけはけっこうまめに見る。健康なころは夕方のニュースとか見ていても天気になるとチャンネルを変えてしまう事が多かったのに今は逆なのがなんかおもしろい。

もちろん天気いがいにもその日の体調を左右するファクターはたくさんあるし、晴れて気温が上がればいいのかというとそーいうわけでもなくて、ちょっと暑すぎたりちょっと日差しが強すぎてもアウトだし、気温の上下が激しくても具合が悪いしという身勝手なものではあります。

てなわけで、検査とかもあるので帰ってきてみるとやっぱり東京は寒いなあ、ちょっと帰ってくるの早すぎたかなあ、検査もうちょっと先にしとけばよかったなあ、都会は人が多くてしんどいなあ、とかあれやこれやとひいひいいっている十条の夜でした。

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2008年4月 7日 (月)

山羊の体のスープ(4)

客層は9割は現地の人、作業着を着た人が多く仕事の途中という人が多いようです。あとの1割はぼくのような観光客です。とくにチェックするつもりもなかったんだけど、みなさんが注文する声、店員さんが料理をもってきて「○○のお客さんは・・・・・・」という声をなんとなく聞いていました。そして気づいたのは

だれも山羊を食ってない!

ここは山羊料理の店、山羊がうりものの店じゃなかったのか!

みなさんが食べているのは牛汁か八重山そば。テーブル席のほうでもおなじ状況です。店に入ったのは12時すぎ、12時半ごろにはいっぱいになりもうひと回転ぐらいするのかなと思っていたら、1時すぎにはお客さんはほとんどいなくなっていました。けっきょく気づいた範囲ではほかに山羊汁をたのんだ人はいなかったのです。

なんで山羊汁の店に来てみんな山羊汁をたのまないんだ?

金城さんいがいにも何人か山羊汁好きだという運転手さんにたずねてみましたが、こたえは単純でした。

「山羊は高いからね」

そう、山羊肉は本来めでたいときだけに食べられる貴重な肉。よーするに高いのです。

一休のランチメニューでも牛汁ライス付が650円、牛そば550円、八重山そば大が400円に対し山羊汁単品が1,250円、山羊そばが800円です。それに一休は山羊汁以外のメニューもかなりうまいので、ちょっと遠くからでも車で来る価値もあるということのようです。たしかに夜のメニューでも山羊刺しは予約制だし、ゴーヤチャーハンがいちばん人気だったりして、どちらかというと山羊もあるおいしい島料理の店という感じです。

金城さんにいわせると石垣では一休いがいの山羊汁は「だめさあ」なのですが、人の話を素直にきかないわたしは金城さんにくいさがり、ほかの「だめさあ」の店を案内してもらいました。

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2008年4月 3日 (木)

山羊の体のスープ(3)

「一休」はテーブルと座敷で60席はありそうなけっこう大きな店です。わたしは座敷のすみっこに案内され、迷うことなく単品の山羊汁をたのみ、地元の泡盛請福を水割りでちびちびとなめながらまわりをきょろきょろと観察していました。

石垣には泡盛メーカーが5つありますがこの請福をいちばんよく見かけます。わたしの口にもいちばん合うようです。なにより安いしね。石垣のスーパーで感動したもののひとつが泡盛のコーナーです。お酒の売り場にはもちろん日本酒・ウィスキー・ワイン・泡盛以外の焼酎なんでも置いてありますがなんといっても泡盛がいちばん広いスペースを占めています。そして泡盛でも一升瓶入り、それも一升瓶2本をセットにしたものがいちばんたくさん並んでいます。これにもちょっとは驚きましたが、これぐらいまでは「やっぱりみんな泡盛をたくさん飲むんだなあ、いやあ、いいところだ」というぐらいの感想でまあ想定していた範囲のことでした。

東京で焼酎を買う場合は4合瓶がいちばん多くたまに一升瓶があることあったりするぐらいだと思います(ホワイトリカー4リットルなんてのもあったりしますがそーいうのは置いといて)。ところがこちらでは泡盛の各ブランドが一升瓶・4合瓶以外に2合瓶・3合瓶、メーカーによっては1合(よーするにワンカップサイズね)まで用意して顧客つまり酒飲みのニーズにきめ細かく対応しているのです。

盛り場ではなく住宅街にぽつんぽつんとあるふつーの定食屋とか沖縄そば屋でひとりで酒を飲んでる人をよく見かけます。東京の居酒屋であればチューハイやホッピーを一杯単位で飲むとかボトルをキープするというのが多いわけですがこちらでは基本は飲みきりです。もちろん飲みきれなかったら持って帰ることはできますが基本は一本飲みきる。

もちろん4合だってひと晩で飲みきってしまうという人はたくさんいます。しかし、いくら沖縄、いくら石垣といってもそんな立派な人ばかりではありません。「ひとりでは2合がいいとこだなあ」とか「二人でも4合は飲みきれないよ」とか人それぞれなのです。4合瓶というのは持って帰るにはけっこううっとおしいサイズです。帰り道ちょっと飲みたくなって駅の片隅や公園でラッパ飲みなどしていると「ああ、おれは人間のくずなんじゃないか」といらぬ反省をさせられてしまうようなよけいなお世話なサイズです。

そこでこの泡盛2合瓶・3合瓶の登場です。一本飲みきったという心地よい達成感、道端で飲んでいても遠目にはペットボトルかなぐらいにしか見えないサイズ。これこそまさにカスタマー・サティスファクションを体現したサービスといえるのではないでしょうか。

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