まあそこらへんはてきとーに(1)
きのうはカジマヤー(風車祭)を見てきました。
カジマヤーっていうのは数えで97歳の長寿を祝うお祭りのこと。
沖縄では数えで13歳、25歳、37歳、49歳、61歳、73歳、85歳、97歳という12年ごとの年をトゥシビー(生年祝い)と呼んで祝うんだけど、その中でカジマヤーはいちばんえらくていちばん盛大なイベント。長寿をほこる沖縄でもさすがにその上はないようだ
97歳を迎えた本人は飾りつけたオープンカーに乗り、親戚や地域の人たちが集まってパレードをする。小学校の子どもたちもかりだされて、カジマヤー(風車)を振ったり笛や太鼓で盛り上げながらパレードをする。子どもたちもみんな楽しそうだ。今はシーズンオフで観光客もあんまりいないしどこへ行っても閑散としてるのでこんなに人がいっぱいいるのを見るのは今回石垣に来てはじめてのことでちょっと不思議な感じ。
島内のあちこちの施設の年寄りがカジマヤーをひとめ見て長寿にあやかろうと集まってくる。パレードのあいまに、おっさんのスピーチや婦人会の盆踊りや万歳三唱が入る。石垣の道は細いのでとうぜん行きかう車の邪魔にはなるんだけど交通整理なんか誰もしない。パレードの邪魔になったトラックの運ちゃんは逆に世話役みたいなおばさんたちから怒鳴りつけられていた。
やってることはどれもどおってことないんだけど、なんかおもしろくて楽しい。なにがいいんだろうなあと考えたんだけど、たぶんこの無秩序さがいいんじゃないだろうか。おれは自分がてきとーだからあんまり感じないんだけど、沖縄のひとはいいかげんだといわれることも多い。
やってることだってけっこうてきとーだ。伝統行事とはいったって、この祭りがいつごろからあったのかっていうのもはっきりしない。基本がオープンカーに乗ることだっていうのもずいぶんなはなしの伝統行事だ。
日本人の平均寿命は、明治・大正では40歳代、50歳を超えたのは昭和22年、今は80歳代なかばというところか。いくら沖縄が長寿だからって日本人の平均寿命よりも10年も20年も長かったってこともないだろうし。もちろん97歳なんていうのは象徴的な数字でかつてはそんな長生きするひとはいなかったけど、今は現実となったという考え方もあるだろう
というようなやぼなことを考えていても、沖縄的な無秩序さからどんどん離れていってしまって、どんどんつまんなくなってしまうのでてきとーにしておいて、考えてみると主人公がある意味では沖縄的ないいかげんさをまとっているともいえる『ケロロ軍曹』でも見ることにしよう。
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風車祭(カジマヤー) (文春文庫)
著者:池上 永一 |
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コメント
行ったことがない場所の行事を、過不足ない解説付きで見ることができて、すごくハッピーです
投稿: 愛読者1 | 2008年2月20日 (水) 15時06分