大みそかのこと(2)
5:00pm
もうがまんできないという腹痛をこれまでに何度か経験している。幼稚園のときに盲腸を切っているんだけどこのときの記憶はほとんどないので比較はできない。次は20年ぐらい前、あさ起きたらおなかが痛くなって、なんか悪いもんでも食べたかなあ、まあ下痢して出しちゃえばそれまでだろうとか思っているうちに、じっとしていられないぐらい痛くなってきた。そのころは病気とは無縁な生活を送っていたし病気の知識もほとんどない。ネットもないし、とにかくなんだか分かんないけどなんかやばいんじゃないかと思って一キロぐらいのところにある病院まではいずるようにして行った。
それでもまだ余裕があったのだろう、通常の初診受付をして待合室で待っていたんだけど、そのうちにまた痛みがひどくなって椅子から転げ落ちのたうちまわりはじめたのだ。気づいたナースが中に入れてくれて横入りで診てもらったんだけどドクターは話をきくと簡単に「まあ尿管結石だろうな。とりあえずレントゲンね」
そのとおり尿管結石だった。そのときはそのまま入院し、痛み止めと尿が出やすくなる薬の点滴を打っているうちに三日ぐらいで石がぽろっと出てぽろっと退院したのでした。
6:00pm
そろそろ病院に行くことを考えはじめる。まず頭に浮かんだのは近くの救急病院。2~300メートルぐらいのところにあるのでなんとか歩いて行けそうだし。この病院にはこのあいだ8月にいちど行ったことがある。
食道の手術後いちど抗がん剤治療をして、次の抗がん剤治療まで一時退院してたときのこと。尿管結石のときのことを思い出すはげしい激痛がおそってきたので、これ以上ひどくなる前にと思って、今度もまたはいずるようにして行き通常の外来で診てもらった。炎症の反応を見る尿検査とレントゲン撮影をしたけど尿管結石はなさそう。ただおなかの中がうんこだらけ、よーするにひどい便秘なのでそのせいだろうとのこと。痛み止めの点滴だけ打って、あとは虎の門で診てもらうようにと追い帰されてしまった。食道がんの治療中とかいう患者によけーなことしたくねーよ、という態度が見え見えだった。
食道や胃の手術をすると腸のコントロールがうまくいかなくなり、ひどい下痢や便秘が恒常的に続くことが多い。食道がんの手術後の抗がん剤治療中には下痢がひどくて3~4日眠れないことがあった。
この8月の激痛のあとはまた痛みが来たりおさまったりをくりかえし、数日後に虎の門に再入院して浣腸やいろんな下剤を試したんだけどなかなか効果が出なくてしばらくこの激痛に苦しむことになった。
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