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2007年9月15日 (土)

余計なお世話

NHKでこーいう番組を放送していました。

ETVワイド ともに生きる「リレーフォーライフ~がん患者24時間ウオーク」

終わりのほうだけちょっとだけ見てみたんだけど、規模の小さい24時間テレビという感じでした。

おれとしてはべつにこの手のイベント一般を批判する気はない。それで喜ぶ人がいるというのはすばらしいことだし、それをビジネスにして生活している人だっている。自分だって一歩間違えばこーいう番組を作る側にまわっていた可能性だってないわけじゃない。教育テレビとはいえ土曜日のゴールデンタイムに放送するってことはそれなりの数字が期待できるということだろう。

ただ、この番組に登場するがん患者のみなさんがどーしてこーいうイベントをありがたがるのかが理解できないだけだ。もちろんおれ自身がこの一年半がん患者としてはかなりめぐまれていたからこんなえらそーなことを言えるのかもしれないということも分かってはいる。たとえば、がん患者としては東京にいるというだけで様々なメリットがある。再発は繰り返しているけど、それぞれの治療はうまくいっているし、これまでそんなに苦しんだりもしていない。

でも、やっぱり理解できない。

あいかわらすアナウンサーはじめ出演者は「がん患者を特別視しないことが大切」と言いながら、がん患者を特別扱いしようとしかしていないし、出てくるがん患者の多くも口では「同じがん患者みなさんのために」と言ってはいるけど「私を見て! がんと闘っている私を見て!」という主張ばかりがびんびん伝わってきてしまったのはおれがひねくれているからだけなのだろうか。

ジャーナリストの千葉敦子さんが乳がんで亡くなって今年で20年になる。

癌にかかったことを知っただけで「世の中で重要なのは私だけ」とばかり、自分のことしか考えなくなってしまうような癌患者とは、共有するものを何も持たない。
千葉敦子『「死への準備」日記』

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