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2007年9月 5日 (水)

治療の今後(2)

がん治療の世界には姑息療法、姑息的療法ということばがあります。抗がん剤治療、放射線治療、一部の手術がこれに含まれ、よーするにそれ自体では根治をめざすものではない治療法を指すようです。外科手術がいちばんエライという価値観のもとに生れたことばだとは思うけど、それにしてもずいぶんなネーミングだとは思ってしまう。

でも、ある程度まで来てしまった、できることはやってしまった、ぼくのような患者にはその姑息な手段しか残されていないわけです。もちろんこれまで何度かふれてきたような代替治療の道はいくらでもありますが、ほとんどの医者はそっちの方はすすめない。そーいうわけで医者の言うことを素直にきいて5回も6回も、つまり再発するまで抗がん剤治療のための入退院を繰り返しているじーさんをこれまで何人も見てきました。もうがん治療だけの余生になっているわけです。抗がん剤治療を拒否することでその病院とのつがなりが切れてしまうのが怖いというひともいました。

もちろん医者だって抗がん剤の多くがそれほど効果がないということは実際に知ってはいるわけで、医師の間でも意見は分かれるようです。ほんのわずかでも再発の確率が減るのならどんどんやるべきだという意見が主流ではあるけれど、それほどは効果が期待できない治療のためにいつまでも患者をしばりつけるべきではないという意見もあります。

自分の場合の今回の二回の抗がん剤治療はどーなのかというと、一回目は手術のあとであんまり医師と議論する気力もないしなんか拒否すんのもめんどくさいしなあ、二回目はなんか外はすげえ暑いし病院にいたほうが楽そうだしなあ、という程度のものではありました

で、今後はどーするかというと、まあ明日の外来での話しだいなんだけど、年内ぐらいはもうちょっとつきあってもいいかなぐらいには思っています。去年治療を始めた頃のどうしようもない状況から救ってくれたドクターたちにもう少しつきあってもいいかな、というとても「NOと言えない日本人」的な理由もあったりするんだけど、基本的にさそわれたら断れない性格なんだよね、おれ。

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