あやしい言葉
それにしても「免疫力」ということばはあやしい。病院の図書室で医学辞典や医学書をいくつか見てみたけど「免疫」、「免疫~」という言葉はたくさん出てくるが「免疫力」というのはない。医師もふつーは使わない言葉らしい。よーするに医学用語ではないのだ
今ぼくは抗がん剤の影響で白血球が減っているためさまざまな細菌に対する抵抗力が弱まり感染しやすくなっている。このことを説明するために医師が「免疫力が落ちている」という言い方をすることはあるけど、これは今どきの患者は「免疫力」とい言葉になじんでいてそのほうが理解しやすいからにすぎない。少なくともぼくの周辺にいる医師は、せいぜい「免疫力が戻る」ぐらいは言うかもしれない。しかし「免疫力が高まる」、「免疫力が上がる」という言い方はしない。「免疫力が高まる」薬も「免疫力が上がる」確立された治療法も存在しないからだ。「免疫力」という言葉が医学的に定義できないのだから当然である。
でも、巷には「免疫力を高める○○水」だの「○○を飲んで免疫力アップ」などのコピーがあふれている。というか、いまや健康ビジネスには欠かせないキーワードだ。この言葉がこんなに使われるようになったのはいつ頃からだろう。けっこう最近のような気もするけど、やっぱり広告代理店の仕掛けとかで広まったのだろうか。
そんで、そーいう○○水、健康食品、代替療法が言いたがるのが「科学的に立証されている」だ。もともと科学的じゃないことを立証したっていうんだからこれは言ったもの勝ちの世界なんだけど、その手の、ときには詐欺まがいの健康ビジネスには必ずお抱えの医者や学者がいて、みんな信じちゃうんだよねこれが。もちろんそーいう連中は「免疫力が高まる」なんて言葉は連発するだろう。
そーいう健康ビジネスっていうのは健康食品の場合は単なるビタミン剤だったりして、「免疫力」はどーか分かんないけど別にたいした薬にはならないけど毒にはならないものが多いので目くじら立てて糾弾するようなもんでもないのだろう。まあ、お金のあまってるひとはどんどん消費をして経済の活性化に協力してください。
話はそれちゃったけど、そんで、ちょっとばかり医学の知識をつけた気になったような奴が「免疫力がさあ」とか言いたがるわけだ、おれみたいに。
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