逆流
これは現在ぼくが生きているメインの栄養源でチューブはそのまま胃の代役となった小腸につながっています。これは腸瘻(ちょうろう)と呼ばれ、口から食事をとれない病人の栄養摂取法としては一般的なものです。胃があるひとだと胃にチューブをさすので胃瘻(いろう)と呼ばれます。
中に入っているのはこれで、100mlで100キロカロリー、ぼくは現在一日1200キロカロリーをこれでまかなっています。この胃瘻・腸瘻は胃や腸を働かせるので回復力・免疫力などを高めるという点で点滴で栄養剤を入れるよりも優れているとされています。また、口から食事をとれない状態が長期間続いてもこれだったら自宅でもできるので、治療が終わったら病院を出てずっとこれで生きているひともいるようです。
で、こちらの状況としては、嚥下のほうはいまのところトラブルなく、食事も流動食から五分粥食に出世してきているんだけど、食道を切った場合の次の問題、逆流が続いています。
食道も胃もちゃんとあるひとには幽門機能というのがあってさかだちをしても胃の中のものが逆流して出てきたりしないようにできています。しかし、ぼくのように食道を切って胃が本来の役目を失った状態だとこの逆流防止装置がなくなり、胃液・腸液・胆汁が逆流しやすくなっていて食べたものが簡単に逆流します。つまりすぐにゲロを吐いてしまうわけです。食べてから横になったりするとすぐにゲロゲロ。横になるといってもつばとかも誤飲してしまうからもう体を水平にして寝ることはなくて状態を30度は起こした状態でだけど、それでもゲロゲロ。食べてる最中でも、ちょっと咳をするとするとゲロゲロ、げっぷをするとゲロゲロ、『ケロロ軍曹』を見ながらケロっと笑うとまたゲロゲロリ、という状態なのであります。
口から食べるといってもいちどに口に入れるのは小さじ一杯ぐらいなんだけど、このペースがちょっと速すぎるとゲロゲロで、まあこれも数を経験して逆流させない食べ方を習得するしかないようです。
ちなみに、この腸瘻に焼酎でもたらしたらきもちよく酔えそうだなどという、つまらないコメントはつけないようにね。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
そんなにお苦しいときに、このような冷静な文章を…。
どうか少しでも休んで、栄養が蓄えられるようにしてくださいね。
投稿: 愛読者 | 2007年6月29日 (金) 23時37分
写真2でのミルクフレーバーと禁注射の文字に笑ってしまいました。
投稿: クルル凹 | 2007年6月30日 (土) 17時16分