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2006年12月 3日 (日)

立花隆のおもいで

U2じゃなくてK-1の話です。

K-1の中継でアナウンサーとか藤原紀香がよく相手の心を折るという表現を使っていて昨日の放送でもアーツはまだ心が折れてないとか言っていて負けちゃったんだけど、この表現を聞くとつい思い出してしまうことがあります。

この心を折るという言い方を最初にしたのはぼくが知るかぎり神取忍参議院議員です。井田真木子というノンフィクション作家が書いた『プロレス少女伝説』という本があって、その中で神取忍はジャッキー佐藤との有名なセメントマッチのときのことを「相手の心を折ってやろうと思った」と語っているのです。

この本はすぐれたドキュメンタリーで1991年第22回大宅荘一ノンフィクション賞を受賞しました。井田さんはこのあともすぐれたノンフィクションを書き続けるんだけど2001年にアパートで死んでいるのを友人に発見されるといういまどき珍しい亡くなり方をしました。酒豪で肝臓が悪かったらしい。

そんでその大宅賞の選考時にほとんどの委員がこの『プロレス少女伝説』を推すなかでひとり強行に反対意見をとなえたのが立花隆でした。その言い分は

作品としての構成力や文章力は十分に賞をとるに値する。しかし、プロレスという題材がいけない。プロレスというのは「知性と感性が同時に低レベルにある人間だけが楽しむことができる」もので、その特殊な世界の中でのできごとなどは、わざわざノンフィクションとして世に問うような重要な問題ではない。

というものでした。そのとき多くのプロレスファンは自分が低レベルな人間だったことを知らされたのです。立花さん、どうもありがとう。

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