« U2の衝撃(3) | トップページ | 12月8日だから(2) »

2006年12月 8日 (金)

12月8日だから(1)

やっぱり12月8日だからジョン・レノンの話です。

さいたまスーパーアリーナの上にはジョン・レノン・ミュージアムというのがあって、コンサートに行く人はちょっと早めにいって1500円払ってそっちを見ていくかやめとくかという選択を迫られます。まあ、踏み絵のようなものですな。結果から言うとぼくは行かなかった。たぶん正しいジョン・レノンのファンではないということになるのだろう。

そんなのどーでもいい人にとっては、興味があれば行けばいいし、興味がなければ行かなければいいじゃねーか、というそれだけの問題なのでしょうが、ことはそう簡単ではないのです。

まあ外国でもそういう多少そんな雰囲気はあるみたいだけども、とくに日本ではジョン・レノンはラブ&ピースの象徴として祭り上げられていてそんなラブ&ピースで盛り上がるコンサートもあったりして、ジョン・レノン・ミュージアムというのはそういうジョン・レノン信仰の総本山的な施設だったりするわけです。

でも、ある時期ジョン・レノンを聞いていた人間のなかにはこの「ジョン=ラブ&ピース」という公式にどうしようもない違和感を抱いてしまう人は少なくないと思うのです。ジョンは内省のひとで、私小説のひとで、うつうつなひとだった。声高にラブ&ピースとか叫ぶような、腕を振り上げて観衆をあおるようなそんなひとではなかったはずなのだ。

ビートルズではポールがバラードでジョンはロックンロールだったなんてまぬけなことを言うやつもいるけれど、ビートルズ時代だってジョンは内省的で私小説的でうつうつとしたバラードをたくさん歌っている。「ひとりぼっちのあいつ」だって「イン・マイ・ライフ」だって「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」だって、明るく楽しいビートルズのパブリック・イメージとは対極にある、内に内にこもっていく曲だ。

ジョン・レノン・ミュージアムのサイトを見ると、ここでジョンの人生のことを知って心が癒されましたとか書き込んでるやつとかいるし、世の中にはジョンの音楽を癒しの音楽だとかいってそこらへんの環境音楽といっしょに語っているゾウリムシ並みの脳みそのやつもたくさんいる。まあゾウリムシはゾウリムシで勝手に生きていけばいいわけでよけいなお世話なんだけどね。

ラブ&ピースだってジョン・レノン・ミュージアムだってヨーコさんがそれでいいって言ってんだからべつにいいんだけどね。おれだってほんとうはジョンのギターは見たかったんだけどね。ちょっといこじになっていじいじしてるだけなんだけどね。いじ、いじ、いじ。

|

« U2の衝撃(3) | トップページ | 12月8日だから(2) »

コメント

うん、同感。

暴言かもだけど、ヨーコと出会ったあとジョンはあまり好きでない。というか、興味も薄い。

死んだ夫を矮小化する妻というのは、困ったものだ。

投稿: しゅんすき | 2006年12月 8日 (金) 16時59分

愛と平和の人と言うフレーズはジョンの死後、洋子が作り出した宣伝コピーで、リアルタイムで知っている私に言わせるとダブル不倫コンビの戯言にしか聞こえない。それより最新リミックス、コラージュアルバムのラブは結構凄いです。さすがビートルズを知り尽くしたジョージマーチン!聞いて損は無いです。

投稿: クルル凹 | 2006年12月 8日 (金) 21時29分

そういえば、ジョンレノンのなくなった日、
一緒に吉祥寺で呑んだなあ。
覚えている?あの日君は荒れた!

あれから26年かあ

投稿: ビンビン | 2006年12月10日 (日) 07時50分

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 12月8日だから(1):

« U2の衝撃(3) | トップページ | 12月8日だから(2) »