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2006年11月16日 (木)

教育・啓蒙・洗脳(1)

『クローズアップ現代』で恐ろしい光景が放送されていました。

練馬区の小学校で生徒に愛国心をうえつける教育をしているというレポートです。そこでは、ある女性教師が「日本は四季がある国で世界のどこよりも美しい」というテーゼを生徒に徹底的に叩き込む授業を行っているのです。使われている教材では、常夏の国から日本の学校に転校してきたガイジンの少女が日本の美しさに目覚めていくというエピソードが用いられています。

レポートでは、さいしょは「四季のある日本も美しいけど、少女がいた常夏の国にも美しいところがあると思う」という生徒も何人かいたが授業の終わるころには全員が「日本がいちばん美しい」という発言をするようになりその愛国心教育は成功をおさめていると、女性教師は自慢げに語っていました。

自分の意見をくつがえすことを強要された生徒がほんとうに自分の考えを変えたのか、そう答えておかないと怒られるとか悪い成績をつけられるからというオトナな判断をしたのか分からないけど、ここで行われているのは間違いなく洗脳あるいは思想統制という行為なわけです。

番組ではいちおう両論併記という、頭の悪い新聞や報道番組がやりがちな中立を装うやりかたでこういった教育方法への反論もとりあげてはいましたが、30分を通してみればかなり露骨な自民党ヨイショでした。教育基本法改正案の衆院審議の前夜にこの番組が放送されたのはもちろん偶然じゃないわけで、自民党からなんらかのアプローチがあったのかNHK政治部が自主的に自民党にゴマをすっておこうとしたのか分からないけど、純粋に報道としての義務感からこのテーマをとりあげたなどというきれいごとはどこにもなくて、強行採決を前に世論の反発を少しでもやわらげられればという猿芝居はミエミエだったわけです。

こんな恐るべき教育現場の実情とNHKの茶番を見ていたらナチス急成長の立役者ゲッペルスがやっていたことを考えてしまった。ゲッペルスの肩書きは宣伝大臣だったとずっと思っていたんだけど、調べてみると正確には国民啓蒙・宣伝大臣だった。

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コメント

ガモ中の経営者って、右翼ぢゃないおの?
そういう授業なかった?
それにしても、すごい勢いだねぇ・・・
あの番組は比較的まともだと思ってたけど、
受信料不払い続けるだけでは
もうどうにもならんなぁ・・・

投稿: オモモ | 2006年11月20日 (月) 03時26分

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