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2006年11月

2006年11月29日 (水)

U2の衝撃(1)

U2日本公演初日に行ってきました。

結果からいうとやっぱりすごかった。

魔法にかけられたようにあっという間に2時間半が過ぎていた。

U2のライヴアクトというのはこの20年ぐらい世界最高だといわれていて、とはいえぼくはこの10年くらいはたいしてコンサートも行ってなくて、そんな人間が力説してもあんまり説得力はないんだけど、たしかにこれ以上のものはないだろうと思えるインパクトがあった。しばらくは他の音楽も聴きたくないし何も見たくない、みたいな状態におちいっています。

1989年11月の東京ドームには行っていて、その時ももちろんよかったんだけど、今回ほどのインパクトはなかったような気がする。こまかいことはネタバレにもなるし、まだ頭の整理もできていないので今日の感想やU2については明日からすこしずつ書いていきます。セットリストとか今日のライヴについての情報は公式サイトに出ちゃってると思います。

さいたまスーパーアリーナっていうのは初めてで、たしかに音もよくて見やすくていいコンサート会場だとは思うんだけど、あのアリーナオールスタンディングというのは危なすぎる。こっちはそんな気力も体力もないから当然スタンド席にいたんだけど、ステージが始まると当然のごとくみんな前に押しよせて気がついただけで5~6人はつぶされて運び出されていたぞ。

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2006年11月26日 (日)

教育・啓蒙・洗脳(2)

16日に書いた愛国教育の話について、番組を見ていなかったひとからいろいろ聞かれたりしたんだけど、メモとかはとっていなかったのでネットで調べてみたら、やはりあの洗脳風景を不気味に感じたひとは少なからずいたようで、これとかこれとかけっこうひっかかってきました。

この授業は東京都練馬区立開進第三小学校の渡邉万里子という教師がやっていて、番組ではその授業の様子だけじゃなくて、その成果を東京都教職員研修センターというところで自慢げに発表しているシーンも発表されていました。その発表の内容も公開されています。

コメントでちくってくれた人もいたけど、ぼくが行っていた高校は右翼養成学校とも噂される学校だったんだけど、残念ながら思想教育というほどのものはなくて、たんに軍隊式の厳しい教育をしていますよというのを宣伝ツールとしているというか、どちらかというと戸塚ヨットスクールに近い頭の悪さのある学校だったような気がします。

校長の語録というのがネットでみつかったけど、この程度のもんだからな。
生徒は馬だ。教師は調教師だ。
我が巣鴨学園の前に新幹線の駅を作る。
文部省は間違っている。あいつらは馬鹿だ。
 だから、文部省からは一切補助金はもらわない。
 その代わりあいつらの言うことも一切聞かない。

実はむこうはいっしょうけんめい思想教育をしているつもりでこっちがノータリンすぎて何にも感じなかっただけかもしれないけど、右翼でもなんでも思想教育をするにはそれなりの教養というか理論武装が必要なわけで、どこにもそんな知性は感じられなかったしな。

この渡邉という教師に知性が感じられたというわけではないけれど、国旗掲揚をしての朝礼で「帽をとれー!」とかいうかけ声をかけたり、何百人もの生徒がふんどしをしめて遠泳をしたりするいち私学よりもこの公立小学校の授業風景とその背後にあるもののほうが何十倍も不気味に見えてしまったわけです。

もちろんもっと不気味なのはそのことを公平な報道のかたちをとって巧妙に、あるいは無自覚なまま流布してしまうメディアのほうなんだけどね。

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2006年11月22日 (水)

再発の行方(3)

内視鏡による手術が12月13日水曜日に決まりました。入院は前日の12日、期間は一週間から10日ということです。まえに入院は三日ぐらいだろうと言われたのは通常の場合で、ぼくのように放射線治療を受けていると患部周辺がひきつれたりかたくなったりしていてそう簡単にはいかないみたいです。

食道の壁というのは大きく分けると内側から粘膜層・粘膜下層・固有筋層・外膜層という四つの層からなっています。このうちがんが粘膜層・粘膜下層にとどまっている場合が内視鏡による手術の対象となります。作業としては単純に口から突っ込んだ内視鏡の先からなんか器具が出てガン組織をつまみとるわけです。ただ食道の壁というのはかなり薄くていきなりこれをやるとすぐに突き抜けてしまうので、がんがある層と次の層の境目に薬を注入して、がんがある部分だけ浮き上がらせてつまみとるという方法が取られます。

ぼくの場合、再発したガンがこのいちばん上の粘膜層にあるのですが、食道全体が放射線治療の影響でひきつったり、かたくなったりしているので、一部だけうきあがらせることができない可能性がある。その場合、内視鏡によってとりきるのはあきらめて食道全摘出という手段を考えなくてはいけない。きょうの内視鏡検査はその手術のしにくさを判断するためのもので、今回の再発の周辺はそれほどかたくなっていないのでたぶん取りきれるだろうけれども、はっきり言ってやってみないと分からないということです。

再発してちょっとまた病気のことを考えだしたのに、三週間も待たされるとまた忘れちゃうぜの、あいかわらず目先のことしか考えないケロロ軍曹でした。

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2006年11月20日 (月)

またいい知らせ

忌野清志郎が17日深夜に、サム・ムーアの来日公演に飛び入りし、サムと一緒にサム&デイヴのヒット曲"I Thank You"を歌いました。医師の許可はでていなかったそうです。

パンタがニューアルバムのレコーディングを完了、発売日も決定というこれまたいい知らせもあります。このレコーディングは新宿風林会館のつぶれたキャバレーで行われたそうで、その様子を記事にした東京新聞はえらい!

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2006年11月16日 (木)

教育・啓蒙・洗脳(1)

『クローズアップ現代』で恐ろしい光景が放送されていました。

練馬区の小学校で生徒に愛国心をうえつける教育をしているというレポートです。そこでは、ある女性教師が「日本は四季がある国で世界のどこよりも美しい」というテーゼを生徒に徹底的に叩き込む授業を行っているのです。使われている教材では、常夏の国から日本の学校に転校してきたガイジンの少女が日本の美しさに目覚めていくというエピソードが用いられています。

レポートでは、さいしょは「四季のある日本も美しいけど、少女がいた常夏の国にも美しいところがあると思う」という生徒も何人かいたが授業の終わるころには全員が「日本がいちばん美しい」という発言をするようになりその愛国心教育は成功をおさめていると、女性教師は自慢げに語っていました。

自分の意見をくつがえすことを強要された生徒がほんとうに自分の考えを変えたのか、そう答えておかないと怒られるとか悪い成績をつけられるからというオトナな判断をしたのか分からないけど、ここで行われているのは間違いなく洗脳あるいは思想統制という行為なわけです。

番組ではいちおう両論併記という、頭の悪い新聞や報道番組がやりがちな中立を装うやりかたでこういった教育方法への反論もとりあげてはいましたが、30分を通してみればかなり露骨な自民党ヨイショでした。教育基本法改正案の衆院審議の前夜にこの番組が放送されたのはもちろん偶然じゃないわけで、自民党からなんらかのアプローチがあったのかNHK政治部が自主的に自民党にゴマをすっておこうとしたのか分からないけど、純粋に報道としての義務感からこのテーマをとりあげたなどというきれいごとはどこにもなくて、強行採決を前に世論の反発を少しでもやわらげられればという猿芝居はミエミエだったわけです。

こんな恐るべき教育現場の実情とNHKの茶番を見ていたらナチス急成長の立役者ゲッペルスがやっていたことを考えてしまった。ゲッペルスの肩書きは宣伝大臣だったとずっと思っていたんだけど、調べてみると正確には国民啓蒙・宣伝大臣だった。

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2006年11月14日 (火)

再発の行方(2)

とりあえず内視鏡による手術でいくことになりました。

来週22日(水)に外来でもういちど内視鏡検査をして、そこで手術の日程を決めることになります。患部が上の方に二ヵ所あって内視鏡手術としては大きい方みたいだけどそれでもせいぜい一時間ぐらいで終わってしまうもので入院も三日ぐらいですむようです。

てなわけでもうやることがないので、きょう14日(火)退院します。今回の入院はなんだったんだろうという感じだけど、まあ負けは最小限におさえられそうだというところかな。

今回は食道壁の表面に5ミリぐらいの再発がみつかったわけだけど、これがもっと小さかったら見逃されて再発なしという診断が下された可能性は高くて、そうすると次の内視鏡検査は三ヵ月後で、その時にはもう内視鏡による手術では間にあわない大きさに成長してしまった可能性もあるわけで、そう考えると今回もラッキーだったといえるのかもしれない。

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2006年11月13日 (月)

アド街だまし取材

『アド街』では斎藤酒場でお客さんがいる営業中の店内も見せていたので珍しいなあと思っていて、商店街でおかみさんに会ったので聞いてみたらやっぱりだまし取材だったそうです。

料理や品書きのアップだけという条件で取材を了解したんだけど、しっかりと客込みの店内を撮って放送しちゃったということね。

斎藤酒場は活字媒体やネットではよく紹介されているけど(まあ勝手に紹介してるのが多いんだろうけどね)テレビでは『吉田類の酒場放浪記』で紹介されてるのをいちど見ただけでその時も開店前の店内で吉田類が飲んでしゃべってるシーンだけだった。

『アド街』も5年前にいちど断ってその後もずっと断り続けていたらしいんだけど、あまり熱心なんでついつい折れてしまったらやっぱりこんなことになってと、まあ怒っちゃいないけど、悲しそうではありました。

ちなみにおかみさんの名字も吉田さんです。関係ないと思うけど。

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2006年11月12日 (日)

アド街おそるべし

十条の街がたいへんなことになっています。きのう放送された『出没!アド街ック天国』十条特集のせいでしょう。商店街はざっとみてふだんの5倍の人出、身動きが取れない、年末のアメ横状態です。特に激安で紹介された洋品店や10円饅頭の店などには見たこともないような人の山に行列、ふだんはがらがらのすげえまずい店も満員です。

Dvc10010Dvc10007_1Dvc10002_2みんな商店街で配っているマップや番組ホームページをプリントアウトした紙を片手に、コロッケや鳥から揚げを食べながら歩いています。この番組の影響力はすごいという噂はきいていましたが、たしかにすさまじいものではあります。

飲み屋も何軒か紹介されてたけど、まあどれも居酒屋本やネットで紹介されてるような店ばっかりでちょっと安心。あしたからは斎藤酒場もまたたいへんなことになるんだろうな。おれは病院に戻っちゃうからいいんだけどね。

おととい銭湯に行ったら、おっさんたちが「テレビがきた、テレビがきた」と盛り上がっていたんだけど、番組名もいつ放送かも誰もいえなかった。あのひとたちは放送を見ることができたのだろうか?

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2006年11月 9日 (木)

再発の行方(1)

というわけで入院しました。

超音波内視鏡というのは、内視鏡のチューブの先っちょに超音波を発生する装置がついていて、体内の組織構造が変化する部位で音波がはねかえってくる現象を利用し、はねかえりの強さや部位を画像として映し出すということだそうです。ようするにがん組織と健康な組織とで超音波のはねかえり具合が違うので、その差を三次元のイメージとして再現し、どれぐらい深くまでがんに侵されているかが分かるということね。

その超音波内視鏡にも目標とする部位によって大きさの違う何種類かがあって、きょうは二種類を突っこまれました。ぼくの食道は放射線治療によって細くなり柔軟性もなくなっているので、通常の内視鏡サイズのその二種類でもかなりむりやり押し込んだ感じでした。きょうの検査では、転移のあったリンパ節の様子まで分かるもうひとまわり大きいのが予定されていたんだけど、これ以上大きいのをむりやり突っこむと食道が傷ついて今後の治療に影響するということで今回は断念することになりました。

先週の検査で発見された表面は5ミリぐらいの再発がんがどれぐらい深くまでいってるかによって、とりあえず内視鏡による簡単な手術で済ませるか食道全摘出の大手術になるかという審判が下されるわけですが、これがすぐに食道全摘出というほど深くもないけど内視鏡手術で必ず取りきれるというほど浅くもない微妙な大きさ。消化器外科の部長や内科のドクターもまじえて検討するということで結論は来週に持ち越しです。

で、予想はしていたんだけど、週末はやることがないから外泊すれば、ということで金曜の昼から月曜の朝まで外出しています

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2006年11月 2日 (木)

再発あり!

月曜日に採取した組織のひとつからがん細胞が発見されました。再発です。

三つあった怪しいふくらみのうちいちばん小さいやつで、ほかのふたつはかなり大きかったんだけどこれはやはり放射線治療によって消えたがんの痕跡でした。

まあ内視鏡のモニターを見ながらでも、そこはルゴール散布のあとがかなり白く残っていてやばそうだなという感じではあったんだけどやっぱりアウトでした。

とりあえず食道壁の表面に見えているのは5ミリ程度のもので、中のほうがどうなっているかを超音波内視鏡でくわしく検査してから治療方針を決めることになります。放射線はもうめいっぱい当ててしまったのでこれ以上はむずかしいということで、手術という可能性は高いんだけどね。

2月のがん発見以来、とりあえず勝ち続けできたのでこのあたりで小さく負けておくということか。

超音波内視鏡の都合で来週9日木曜に入院します。

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