« 食道閉鎖 | トップページ | 血の話(1) »

2006年3月25日 (土)

静けさのなかで

病室を引越しました。これまではナース・ステーションに近い病室で、たまたまそこが空いたから入ったのですが、ナースを呼ぶ頻度が高い患者さんと入れ替わると言うことで、いちばんはずれの病室になりました。

これまでは、寝たきり・たれ流し・わがまま三昧のじいさん三人と同室だったので、朝から晩までナースコールで看護婦を呼びつけ「あれを買ってこい」、「食事はまだか」から「ためしに呼んでみた」までとにかくやかましかったのですが、今度の部屋はみんな自分で歩ける患者ばかり。おまけにひとりは退院して空きベッド、2人は外泊して留守なので、この土日は四人部屋に一人きりという状態なのです。

移ってみるとこれが同じ病棟なのだろうかというくらい、とにかく静か。これがあまり続くと今度はさびしくなってくるのだろうけれど、今のところいいかんじです。私も、外泊してもいいとは言われているのですが(それぐらい元気なのです)、外に出ても何も食べられないのでは悲しいばかりなので、病室でごろごろしているウィークエンドです。

ちなみに前に書いたじいさんAですが、最終的には息子さんがギブアップし、仕事をキャンセルして佐渡まで付き添うことになったようです。あと一昨日入院してきたじいさんBは、あまりにもわがままが過ぎるので前の病院を追い出されてきたというつわもので、とにかくどうでもいいような用事で四六時中看護婦を呼びつけ無理難題を言っていました。これもよく観察していると、日中は奴隷のようにかしずき言うことをきくお嫁さんがいたりして、わがままじいさんを作りあげるのはけっきょく周囲の人間なんだなあと納得した次第ではあります。

今度の部屋では、となりにやはりじいさんがいるのですが、自分で歩けるし、わがまま問題はなさそうなんだけど、きのうカーテン越しに聞いていたら、看護婦がいちど来るととにかく寒いギャグを連発して引き止めるという、ちょっとやばい雰囲気があったのがちょっと不安ではあります。

|

« 食道閉鎖 | トップページ | 血の話(1) »

コメント

 こんにちは、仏日勉強会のパスです。
 患者さんの観察日記(?)、楽しく拝読しております。昔「病院へ行こう」て映画がありましたけど、あれがそれほどデフォルメされていないと思うくらい、病院ってほんといろんな人がいますよねぇ。
 10年ほど前に母が半年間の大学病院に入院したのですが、その時も周りの人間関係に泣いたり笑ったりでした。なにせ大学病院なので、注射や点滴の針を刺すのに手が震えるお医者さんとか、彼氏の愚痴を言いに来る看護学生とか、可愛い患者を口説く研修医とか、愛人が面会に来る既婚女性とか、もう枚挙にいとまがありません。
 なんだかんだ言っても、巻きこまれない限りは観察は楽しいですよね。冷静な観察眼と筆力でもって、また面白いことがあったら教えてください。
 ではでは。

投稿: 岡田 | 2006年3月25日 (土) 19時32分

岡田さん、ありがとうございます。大部屋にいると嫌でも聞こえてきてしまう他人の人間関係ですが、もう少しアンテナを伸ばして他の部屋の様子なども探ってみようと思います(^^;

投稿: みゅう | 2006年3月26日 (日) 20時43分

私も病室を二度変わりました。
最初は 脳神経外科の病棟が空いてなかったため循環器科の病棟へ、次はナースステーション前の重病あるいは問題患者がいる部屋へ、そこに・・・徘徊するアルツハイマーのじいさんがいたため寝不足になり病室を変えてもらいました。ナースステーション前はかなり鬼門のようです。

投稿: KT | 2006年3月27日 (月) 10時36分

KTさん、最初はナースステーションの近くだと何かいいことがあるんじゃないか、などと愚かなことをちょっとだけ考えていましたが、そんな妄想は老人パワーに吹き飛ばされてしまいました(^^;

投稿: みゅう | 2006年3月29日 (水) 16時21分

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 静けさのなかで:

« 食道閉鎖 | トップページ | 血の話(1) »